2015.7.9

鬼ごっこと子どもの運動 特別対談 Vol,2

 
中村裕(鬼ごっこ協会理事)×森下貴司(公認指導員)と藤島麻衣(元鬼ゴッターTV女性MC)

■中村
普通はフライやホームランがくると、そのすごいスピードや高さで来るから、自分はどれくらい後ろに行かなければボールに達しないか予測しますよね。ところが、経験が無いからそのまま動かないでみちゃう。今、そういう子が増えてるんです。

■森下
なるほど。

■中村
原因の一つとして半身が取れない。

■森下
半身?

■中村
斜めに身体を動かす半身です。バトミントンでも、半身があると後ろに下がったり、前に出たり出来ますけれども、まっすぐ、だと半身が取れないから後ろに倒れますよね。それと全く同じで、今の子は半身を取れない子が昔に比べて多いですね。

■藤島
そうなんですかあ。

■中村
また、スピードのコントロールができない子もいますね。例えば、体育館で、ここからここまで走ってというと、ダダッツーと走って来て止まれないで、手をついて手首を折ってしまう。

■藤島
えっー!

■中村
そういうお子さんがいるんです。

■森下
加減が出来ないんですか?

■中村
スピードのコントロールが出来ないで走り抜けちゃうんです。

■森下
それでは、鬼ごっこをするにも難しいんじゃないですか?

■中村
そうです。走り抜けると鬼ごっこは駄目じゃないですか。あれはフェイントじゃないけど、こっちに行くふりをして、違う方へ行く。そうしないと捕まりますからね。

■森下
では、そんな子ども達に必要な教育はありますか?

■中村
教育ねえ、我々が簡単に言ってはいけないところがあるので、難しいですけれども、今、大人が子どもに遊びを教えないといけない時代になっているんじゃないかと思っているんです。今、子どもは遊ぶ場所が無い、友達が無い、時間が無い。勉強だけじゃなく、テニススクールやその他のスポーツスクールでも忙しいんですよね。そうすると、だんだん遊びというものが忘れられて行く。こどもの城から児童館等に遊ぶことを提供しに行ったりしていますが、児童館の先生すらも、我々が昔遊んだ遊びを知らないという方が多いんですよ。伝承遊びという代々受け継がれて行った遊びというものが、今の若い先生方が分からない。だから子ども達に教えることができない。今の子には、自然発生的に遊びをするのではなく、こういう遊びがあるんだよと提供する時代なのかなと思いますね。

■藤島
なるほど

次回へ続く…。