2015.4.30

鬼ごっことコミュニケーション Vol,4

羽崎泰男代表理事×宮原哲(同協会理事、西南学院大学教授)

■宮原
日本という文化は、今までは、ア・ウンの呼吸とか、ツーカーの中とか、一で十を知るというくらいに言葉が少ない中に、お互いがわかり合っている気持になるのは美徳と考えられてきたわけですよね。
行きつけのお店に行くと、大ざっぱな注文で自分の好きな食べ物が好きなタイミングで出てくる。

相手に任せることによって、信頼関係が生まれてきた。それはそれでいいんだけれども、これだけ多くの人達が様々なことを考える世の中になってきたでしょ、言わなくてもわかってくれるというのは、わかってくれてたのではなくて、その気になっていたのかもしれないですね。だから鬼ごっこのように、細かいところまで言葉を使って説明をし、お互いわかっておかなければ、遠く離れてしまった時、「あいつなんであんなことするんだ」最初にほんとはわかってなかった事が明らかになってくるところが面白いですね。

■羽崎
なるほど、鬼ごっこの場合は、言葉数を多くしてきちっとコミュニケーション取っておくというのは必要だね。僕もスポーツ関係の人間だから、一を聞いて十を知るタイプなわけ。何でこれだけ言ってるのに、ここまで想像できないのなんて言ってしまうんだよね。確かに今の子供を見てると、運動能力の高い子もいれば、そうでない子も様々。そうなった時に言葉が足りないコミュニケーションでは、その子たちみんなに通用しない。そういう面をこれから鬼ごっこを通して検証していこうと思ってるんだけど、そこを宮原先生にもこれから考えてもらいところですね。このコミュニケーションのキーワードは、言葉を1つ2つ多くしていくことだね

■宮原
言わなくてもわかってもらえるというのは、危険な時代になってきている。言わないとわかってくれないというところを出発点にするということです。言わないとわかってくれないというのはネガティブなので、逆に、言えば分ってくれるわけで、指導者がわかってくれるように言えてるだろうかということを検証する良い機会だと思うんです。

■羽崎
それは大事な要素でね。我々が子ども達に鬼ごっこを通してコミュニケーションを取る時のキーワードは、多くの言葉を使って相手にしっかり知らせるということだね。そうすれば、遠くにいても一言二言で理解できる状態になっていくということだね。

■宮原
事前にわかり合っているということがあるので、いざという時は言わなくてもわかってくれるということがあるということです。もう一つコミュニケーションに含まれているものに、話しを聞いた時、物を見た時に、それを正しく理解し、判断して、適切な反応を起こすという認識というものがあるんです。KYって言って、空気を読めないとか、何でこれがわかってくれないんだろうという人が増えてきたという事は、認識力が弱まってきている状況ですね。言葉の裏に隠された気持ちとか状況を読むという認識力を鬼ごっこをやっていきながら磨くことができるんですよ。

■羽崎
まとめると、子ども達の世界をとらえた時に、多めの言葉を使ってコミュニケーションをすると同時に、受け手もしっかりと受け止めるだけの能力を作っていかなければならないということが大事ということだね。うん、キーワードになるね。

■宮原
日本のある年齢以上の人達は、「あれ」「これ」「それ」だけで話を通して、わからないんだったら、おれの見よう見まねでやれって言う風な親分肌の人が多くて、細かいところまで指導するのは、理屈っぽい、くどいなんて考えられてきたけれども、状況によってはそういう能力も必要になってきますね。

■羽崎
私はスポーツ的な発想の中のコミュニケーションがあると思う。イメージが言葉のかわりをしてる感じになっていくからね。宮原先生の場合は、コミュニケーションの専門家としての発想で、鬼ごっこに取り組んでもらえればありがたいですね。今日は、大きなキーワードが出たんで、次の機会も楽しみです。

■宮原
こちらも、楽しみにしてます。

■羽崎
それでは最後に、チョンチョンチョン鬼ゴッターの決めポーズで!

■宮原
鬼ゴッター?

■羽崎
鬼ゴッターって言うのは鬼ごっこが好きで、明るく、元気をもっとうに、赤ちゃんから、お年寄りまで、老若男女、誰でも入れる鬼ゴッターを広めようとしてます。今日は二人で元気よくやりたいと思います。でも入れる鬼ゴッターを広めようとしてます。今日は二人で元気よくやりたいと思います。

■二人で
チョンチョンチョン鬼ゴッター!!

(終了)