2016.3.4

『よく食べ・よく遊び・よく〇〇する』Vol,1

 
若木 均
わかきkids'クリニック院長
日本体育協会公認スポーツドクター

今回から、このコラムを担当させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。第1回はどのようなものがいいかな、と考えまして「こどもの便秘」というテーマにしてみました。「食と健康」と離れているような、関係しているような・・・。

 幼小児期では、どの程度で「便秘かな?」と思われますでしょうか。だいたい3~4日くらい排便がないと「便秘かな」となるところでしょうか。

 便秘は、腸や全身の病気によって起こる場合もありますが、ここでは体質的な、習慣的な便秘についてお話ししたいと思います。こどもの便秘は珍しいものではなく10人に1人かそれ以上とも言われています。離乳期のころやトイレットトレーニングのころ、学校に行き始めたころなどに慢性的な便秘が始まりやすいとも言われています。

 まず、しっかりと食事が摂れているか水分をよく摂れているか、(特に乳幼児では)体重増加はどうか、などを気にします。しっかり栄養がとれていなければ、便も出ないというわけです。それから生活や排便の習慣などについておうかがいし、診察に入っていきます。

 便秘は悪循環に陥りがちです。「便が硬い⇒排便時にお腹や肛門が痛い⇒排便を嫌がる・我慢する⇒よけいに便が硬くなり出にくくなる」という感じです。慢性的な便秘ではまず溜まった便を出し切ることが大切です。浣腸や飲み薬も使います。「浣腸やお薬を使うとくせにならないか?」と心配される親御さんも多いですが、「便秘がくせにならないようにすることが大事ですよ」とお話ししています。

 生活習慣として、①早寝早起き、規則正しい生活。②バランスのとれた食事、食物繊維を多めに。③体をよく動かす、といったことが大切です。でもこれらは便秘だけでなく健康的な生活を送るための基本となりますよね。

 便秘でご相談を受けていた1歳の女の子さんはお薬を使ったりしてもなかなか改善しなかったのですが、ご実家に滞在されていた際、外でよく遊んでいたらそれに伴い便秘も改善し、ひどくいきむこともなくなり、肛門も痛がらなくなったということでした。

 もちろん「外遊び」の効用は便秘の改善にとどまりません。親子でいっしょにからだを動かして遊ぶ、友達と鬼ごっこなどをする、ことはいろいろな意味でお子さんの成長を促してくれると思います。

若木 均 / Wakaki Hitoshi

わかきkids'クリニック 院長
日本体育協会公認スポーツドクター


平成9年 浜松医科大学卒業
平成9年 慶應義塾大学病院小児科学教室
*慶應義塾大学病院勤務時に、こどもの城体育事業部で短期研修。
平成15年~ 横浜市立市民病院小児科
目黒通りこどもクリニック 院長
現在 わかきkids'クリニック 院長
小児科専門医
日本体育協会公認スポーツドクター(平成23年~)